宇宙戦艦ヤマト処女航海の初めは不具合の連続でありました。設計図を貰ったとはいえ、人類初の波動エンジンですから、テストの度に不具合を起こすのも無理はないことです。何せオーバーテクノロジーですので。
この頃の人類の最前線基地は火星であり、冥王星まで行って会戦を行ってはいますが、その間にある太陽系の惑星についてすら、人類の科学力では未知の領域であったといえます。
なので、当然木星についても何も知らず、そこに浮遊大陸があると知っていたのは、14万8千光年彼方から進出してきたガミラス軍の方でした。
ヤマトは初のワープテストの後、波動エンジンのエネルギー伝導管が折れて溶けてしまい、木星の重力に引き込まれ、航海早々危うく太陽系内において海難事故で沈没するところでした。
しかし、その偶然により木星の大気圏内で浮遊大陸がヤマトの前に姿を現し、不時着することになり世紀の大発見となったのでした。
この地球では考えられない浮遊大陸という存在・・・何千キロもあるアンモニア大気の層の下にメタンの海が広がっており、その中に浮遊大陸が浮いているということですが、メタンの海も液体の海ではなく、高圧縮された気体をメタンの海と呼称している・・・といった感じです。
説明はないですが、メタンの海も上下の層に分かれており、その境目に浮遊大陸が浮いている・・・そして、ヤマトはメタンの海の下層部に入ると圧力でペチャンコになるということでしょう。沖田艦長も浮遊大陸の下に入るとそうなると明言しています。
メタンの海はあくまで気体なので、浮遊大陸は最下部まで目視出来ます。そして、その高さで衛星の様に木星周りの軌道に乗って周回しているので、如何に木星の大気の層が分厚いかが分かります。
この浮遊大陸はヤマトファンならご存じかと思いますが、オーストラリア大陸とほぼ同じ大きさがあります。注目すべきは大陸全体が内陸部に至るまで深いジャングルに覆われていることでしょう。そう、地球外生命体に満ち溢れているのです。
生命に満ち溢れているとされる地球の大陸の内陸部は得てして乾燥しています。事実オーストラリア大陸も大半が砂漠です。
浮遊大陸は中央部に高い山がそびえ、その周囲を熱帯を思わせるジャングルに覆われています。木星は太陽から遠く寒冷な惑星であるにも拘わらずです。更に分厚いアンモニア大気の下であるにも拘わらず光も十分にありました。
そう、この浮遊大陸は、地球ではあり得ないコトだらけの謎に満ち溢れた大陸なのです。
この不可思議な浮遊大陸は、地球人類にとって、様々な可能性を与えてくれる存在ではなかったかと思えてなりません。大気組成さえクリア出来れば移住も可能だったかも知れません。
何故なら広大な大地に分厚い大気のバリヤーに穏和な環境があるからです。着陸さえ安定して出来れば、人類の一時的な避難地になり得たでしょう。また移住前にこの未知な大陸を色々調査すれば異形の生態系から新発見が相次いだでしょう。
これら浮遊大陸の植物が何を糧に生命を維持しているのか、木の実はあるのか、そして食べれるのか、動物はいるのかと調査項目は多岐に及びます。資源は言うに及びません。
このオーストラリア大の大陸はどの様な福音を人類にもたらしてくれたかを考えると、波動砲で大陸ごと吹き飛ばしてしまった暴挙が残念でなりません・・・
沖田艦長の徹底したリアリズム・・・それは如何なる情も入り込まない厳しいものです。勿論沖田艦長に情はあります。しかし、それは任務遂行の下位でしかないのです。
沖田艦長は勝つためには破壊行為に躊躇がないのは最期まで一貫していました。
- 波動砲による木星浮遊大陸破壊
- 波動砲によるガミラス星の荒廃
- 波動砲によるルガール・ド・ザール艦隊ごと惑星群の破壊
もし、沖田艦長に星間国家の大艦隊を率いさせたなら、いや、第2世代地球防衛艦隊を率いさせたならば、どの様な戦術を取ったか興味深いです。拡散波動砲の破壊力をフルに活かしたことでしょうや・・・
コメント
地球人類はまだ浮遊大陸に着陸していないと思われますが、沖田艦長の台詞から浮遊大陸の存在は把握していたのでしょうね。
無人探査船は着陸調査していたのかも?
2199年当時でも地球人類は、タイタンのコスモナイト、冥王星の原住生物、11番惑星の遺跡も知っていましたから。
ガミラスからの攻撃以前には4光年先のアルファケンタウリまで無人船飛ばしていたのかもしれませんね?
木星の強い重力と分厚いアンモニア大気の層に遮られて木星内部については何も把握はしていなかったかな・・・とヤマトクルーの反応やアナライザーに調査させている様子からそう感じました。ですが、おっしゃる通り、タイタン等の障害の少ない衛星や惑星等については探査してますネ。長いブランクがあるので、見返すのが逆に楽しみな感じです(笑)
みかんです、ご無沙汰です(^^)
待ってましたよ☆
>みかんさん
コメントありがとうございます。マイペースですが更新していきますので、今後もよろしくお願いします。