地球侵攻当時、ガミラスの現役世代は円筒型艦艇になっていました。前世代は円盤型艦艇でありました。この辺の詳細は、ガミラス艦艇から次世代型ガルマンガミラス艦艇への変遷を参照。
この前世代つまり旧式である円盤型艦艇である十字型高速空母は以前から気になっていました。
というのも、円盤型というのは運動性において、かなりのアドバンテージがあるからです。その形状から上下左右に難なく旋回、方向転換が出来るからです。
しかし、どの有力星間国家も艦艇は円筒型を採用しています。暗黒星団帝国の駆逐艦やプレアデスも形は丸いものの円盤型ではありません。
円盤型とその他の艦艇の最大の違いは、推進の為の噴射口が無いことと、前後左右の区別がないことでしょう。この円盤型艦艇は他では、シャルバートの影響を受けた旧ディンギル人の遺産であるプレ・ノアくらいでしょう。
つまり、円盤型というのは実は先進的なものじゃないかと思い至ったわけです。
では、何故ガミラスは円盤型を捨て、他勢力と同じ円筒型の採用へと舵を切ったのでしょう?それは兵装と関係があるのかも知れません。
円盤型は画期的な発明ではありましたが、いざ砲雷撃戦をする上で砲塔の設置に苦慮し、最大火力を一点に集めにくい弊害があったのかも知れません。
先ず兵装の観点から十字型高速空母をみていきましょう。
十字型高速空母は戦闘空母に分類されると最近気付きました。またそれだけの火力があります。上部ミサイルはワープ前のヤマトを追い詰めましたが、兵装はこれだけではなかったように思えます。
当空母は、スクラップの戦艦大和を発見した時、艦載機だけに任せず、自ら降下して調査せよ。危険なモノは断固消してしまうのだ。との指令を受けています。
艦載機だけに任せずとあるので、センサーで調査するのみならず、自ら仕留めよ!と受け止められます。十字型高速空母は船体下部に点滅するセンサーが確認出来ますが、降下するに当たり、下面が非武装だと急所を敵に晒して接近することになるので、下面にも武装があるはずだと考えていました。

4本のアームのえんじ色部分から艦載機が射出される。
宇宙戦艦ヤマト2199スタッフもそう考えたのかは知りませんが、インディペンデンスデイのUFOの様に下面中央部から光線を発射している描写があったと思います。1回して見てないので、うろ覚えですが。
十字型高速空母は戦闘空母なので、これで十分ですが、戦艦となると砲塔の無い円盤型だと艦隊戦の時に円筒型に後れを取ったのかも知れません。しかし、運動性は円筒型を凌駕するわけですから、引退の決定打は他にあると考えを改めました。
円盤型の引退した真相は、波動エンジンとは違うエンジンを使用していたからではないか。
円盤型が波動エンジンではないとする理由は、波動エンジンと噴射口がセットだからです。暗黒星団帝国が星間戦争に使用するエネルギーとしてガミラシウムが必要と語っていましたが、正しくガミラシウムを使用した艦艇が円盤型だったのでは・・・と思う次第です。
ガミラスは、円盤型を主力に大マゼラン星雲の雄となった代償にガミラス星が荒廃し、惑星の寿命を大幅に縮めてしまったことから、波動エンジンを搭載することとし、前後左右のない円盤型から、噴射口のある円筒型の艦艇へと変貌を遂げた・・・というのがガミラスの実情なのでしょう。
十字型高速空母の引退の影には環境問題があったということになります。いや、最早環境問題のレベルを超えております。母星の寿命が縮んだのですから。
しかし、十字型高速空母は、中央部の艦載機格納庫から4本のアームを滑走路代わりに艦載機を同時に4機ずつ発艦出来る展開力の速い優秀な空母でした。
なので、この素早い展開力を喪失することなく、着艦、発艦共にそれを凌駕する新空母の開発に相当な苦労があったはずです。何せ形状がまるで変わる中での開発ですから。そうした経緯で登場した期待の新型空母が三段空母だったのでしょう。
ガミラス伝統の迅速な展開力が形は違えど脈々と受け継がれたわけですから。
余談、機動戦士ガンダムに登場するMAアッザム・・・似てるな~。しかも砲塔も付いてるやん(笑) やっぱり兵装は関係ないな・・・

コメント
十字型高速空母が引退せざるを得ない最大の理由は、艦載機発進口が特殊すぎて、専用の艦載機しか搭載出来なかった事でしょうね。
ガミラス軍とすれば、高速空母の全翼艦載機より高性能な、ガミラスファイター・急降下爆撃機・雷撃機を搭載出来ないのは致命的であったと思います。
それでも、他の艦に比べて高速で移動出来る事や、武装も豊富で単艦で活動出来るので、使い道はあったのでは?
高速空母は三段空母と設計思想がまるで違うだけでなく、艦載機の運用方法も全く違います。その辺りはアメブロ版でどこまで書いたか書いてないか、読み返してみます。艦載機と空母について記事に出来ればしてみようかと思います。
三段空母とは運用思想が違って当然ですが、円盤空母は艦載機の展開がハッチからの射出方式の為、短時間で多数の艦載機発艦には不向きなので前者に取って代わられたのでは、と思います。
コメントありがとうございます。私は十字型高速空母からアリの様に全翼式が溢れ出る描写から、展開力が凄いな・・・と思った次第です。ただ、三段空母も含めて重力下ではどうなるのか?その辺も含めて、また丁寧に記事を書いてみたいネタであります。
十字型高速空母はその名の通り、持ち前の足の速さから威力偵察や奇襲攻撃など、迅速さが求められる作戦に多用されるのでしょうね。ただ劇中で本艦が使用されたのは太陽系のみで、冥王星基地壊滅以降は全く出番がありません。
通常空間での高速性と引き換えに、航続距離が短かったのでしょうか?
反射衛星砲は部品を冥王星で組み立てたと考えられますが、十字型高速空母は、その他のガミラス艦と共に遠征してきたと思うので、航続距離に問題はないと思います。波動エンジンでない暗黒星団帝国も40万光年の遠征を敢行していました。しかし、波動エンジンより燃費は悪く、方々に資源採掘に出掛けていたと思われます。十字型高速空母も近くにガミラシウムが無いと使用制限がかかったかも知れませんネ・・・補給が限られていたと思うので。