大ガミラス帝国の移住計画

宇宙戦艦ヤマトその他

前記事で宣言した通り今回は、大ガミラス帝国が何故、寿命が来たガミラス本星に代わる新母星を銀河系の民族出生地であるガルマン星に回帰することを選択せず、同じ銀河系の辺境地たるオリオン腕にある地球を新母星として選定したのかを書きます。

地球侵攻当時のガミラス人は放射能の中でしか生存出来ず、酸素は死に至る猛毒です。なのでガミラス人にとって地球は死の星でしかなく、移住する為には放射能タップリの遊星爆弾でテラフォーミングする必要があり、かなりの手間暇がかかりました。

銀河系核恒星系にはガミラス人生誕の地であるガルマン星があり、ここならばテラフォーミングは不要ですが、そもそも何故、ガミラス人はガルマン星を捨てて、本星よりも寿命の短いガミラス星へと移住したのかも併せて考える必要があります。

銀河系は文明国も多く、激しい星間戦争があり、その中で君臨した圧倒的強国がシャルバートでした。その科学力の高さは他の追随を許さず、銀河系各地に古代文明の遺跡があるのは、その名残でしょう。太陽系で言えば、第11番惑星にある遺跡等がそうであり、旧ディンギル人の文明もそうだと思われます。旧ディンギル人と現ディンギル人についてはディンギル帝国の技術的実態を参照。

かつて銀河を支配したシャルバート星

銀河系核恒星系という激戦区にあったガルマン星では、シャルバートの影響を強く受けたことでしょう。その中で高いレベルの科学技術力のあったガルマン民族は、そのプライドからシャルバートの影響を嫌った反面、勢力の拡張が思うように行かず、内部政争もあったことでしょう。

そして、より民族の誇りの強い強硬派がシャルバートの影響外で勢力の伸長を図るべく、大マゼラン星雲へと旅立ったのではないでしょうか。1年の技術革新で艦隊が刷新される星間国家。如何にガルマン人とはいえ、太古の昔の移住兼侵攻は困難を極めたと思われます。

なので、移住先に大マゼラン星雲が選定されたのは距離的に当然というよりは必然だったでしょう。他に選択肢が無かったのですから。大マゼラン星雲は銀河系と比べて矮小ですが、交通の要衝にあることもあり、星間戦争も規模は違えど激しかったと思われます。

ガルマン人によるガミラス星移住は、本星が放射能塗れでどこも近寄らなかった偶然によるものでしょうか?それにしては、ガルマン本星と同じ二連星で同じ環境というのも出来過ぎの様な気がします。

大マゼラン星雲への苦難の旅の果てに、祖国とそっくりな二連星を発見した時、二連星の一つイスカンダルは既に高度な文明を持ち栄えていました。

イスカンダルは周辺国家にも影響力が強く、その上理知的でガミラス星への移住承認も示されたものと思われます。

消耗を避けたい放浪中の移住艦隊はその申し出を受け入れ、イスカンダル女王と盟約を結び、イスカンダル人から見れば荒廃したガミラス星へと移住しました。勿論、惑星としての寿命は長くはないとは言っても、それは数千年先のことであり、二連星という慕情を誘発したこともあり、新本星と定めたわけです。

また、イスカンダルの指導者が気品漂う美しい女王だったのも大きいでしょう。ガルマン人は勇猛とはいえ、デスラー総統やドメル将軍を見れば、認めた相手には敬意を払う一面もあるからです。

また、イスカンダルから先進技術の供与もあったはずです。波動砲とデスラー砲は原理は一緒ですから。

しかし、ガミラスを拠点に勢力を拡張するに当たり、ガミラス星を乱開発した結果、星としての寿命を急激に縮めてしまい、デスラーの代になって再び新母星への移住を迫られたわけです。

ガミラス星からの再移住

22世紀末はガミラスを本星にしてから何世紀も経過しているわけですが、その間にガミラスは大マゼラン星雲の雄となり、同時にいくつもの戦線を構える中での新本星の探索に乗り出しました。

ガルマン人からガミラス人になってからもガルマン時代の歴史は当然残っていますが、ガルマン星から出て、またガルマン星に戻るというのは、移住の経緯を考えると本末転倒とうものです。

勿論、真っ先に大小マゼラン星雲内で新本星選定事業を進めたものの、新本星に相応しい惑星・衛星が見つからなかったので、銀河系へと事業を拡大したわけです。

ガルマン星からガミラス星への航路上には適当な惑星が無かった記録も残っていたはずですが、放浪中の当時とは違い、テラフォーミングする猶予があったことから、選択条件を広げた結果、地球は大気組成さえ換えれば移住可能と判定され、移住計画が進められ、皆さんご存知の冥王星基地建設からの遊星爆弾となるわけです。

しかし、デスラー総統は、その先にガルマン本星への再進出も視野に入れていたはずです。

ガルマン星を捨てた原因である銀河系を支配していたシャルバートは既になく、核恒星系は混沌としていたからです。

なので、地球を足掛かりに核恒星系に打って出るという戦略を立てて、地球は一時的な本星であり、核恒星系攻略後はガルマン星と大マゼラン星雲を繋ぐ重要拠点として利用する計画だったのでは・・・と推察する次第です。

ゴルバとの死闘後、赤色矮星宙域で古代に別れを告げるデスラー総統

ゴルバとの死闘後、古代に幾歳宇宙を彷徨おうともガミラスを再建すると宣言してみせたのは、それなりの根拠があったデスラー総統なのであった。

コメント

  1. アパッチ より:

    ガミラス人が移住可能であろうビーメラ星やバラン星より地球に拘ったのは、銀河系征服そしてガルマン本星回帰があったのでしょう。

    ガミラスがガルマン本星に戻れたのは、支配していたボラー連邦を排除した事が幸いしたのだと思われます。
    シャルバート教絶対主義であったであろうガルマン国家と、デスラー総統のガミラスでは相容れず、双方戦うしか無かったのかもしれません。

  2. batu batu より:

    バラン星などが絶海の孤島ですから
    本拠地には到底向かないですネ。
    中継地としては重宝しますが・・・

    ガルマンは銀河系に留まった為に
    シャルバート教の影響を受けたでしょうが、
    幸か不幸か、ボラーに敗れ奴隷となったことで
    デスラー総統がカリスマになったのでしょう。
    この辺は記事に出来そうです。

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