ガミラス生物兵器2バラノドン

宇宙戦艦ヤマト

大ガミラス帝国は星間国家の中で唯一生物兵器を実戦投入していますが、先に述べたガス生命体と違い、バラノドンには改良の余地や戦い方についても伸びしろがあり、兵器としては強力なものと成り得たと感じる人は少なくないと思います。そんなバラノドンについて考察していきましょう。

バラノドンは地球の2倍の直径のあるバラン星に生息する合体怪獣で、抱きかかえることが出来る程に性質の大人しい生物です。石ころみたいなのが、合体したり分離したりすることから、骨はないと思ってましたが、ドメル将軍の作戦でバラノドンが多数虐殺され、その白骨死体から骨格があることが確認されています。

なので、バラノドンの合体は表面のみの接合であり、融合しているわけではないようです。バラノドンの表面はウロコがあるので、ウロコが逆立ち、それが食い込み合って合体しているのでしょう。

で、このバラノドンを生物兵器として利用しようと研究していたのが、バラン星基地の副指揮官のゲイルでした。ゲイルのイメージ投影力生物兵器バラノドンが完成する旨が語られていますが、必死に研究を重ねるゲイルをドメル将軍は苦々しく思っており、「大人しくしていろ!」と自重するよう求めます。

ドメル将軍は生粋のガミラス軍人であり、格下相手に使用する生物兵器を全く評価していません。一方ゲイルは技術畑出身の将校なのではないかと思えます。

思念を送るようなヘルメットを被り、実験に明け暮れるその姿は正に研究者のようでした。なので、軍人とは違い、生物兵器を主力兵器として使用することに全く躊躇がないのでしょう。

↑イメージ投影を送るヘルメットを被り、バラノドンを変形させるゲイル

ドメルとゲイルのこの温度差と考え方の違いは軍人技術者という出自の違いから来ていることを思えば、折が合わないのも頷けますが、このことが二人にとって、しいてはガミラスにとって不幸を招くことになります。

ドメルの静止も聞かず、ゲイルはバラノドン特攻隊を率いて、ヤマトに襲撃をかけますが、ゲイルがこだわるだけあって、生物兵器バラノドンは驚異的な力をヤマトに見せつけました。

先ず目についたのは、その機動力です。ヤマトの周りを弧を描くように回り込む姿は艦載機のようでした。ガス生命体は艦船が全速力で航行すれば、振り切ることが出来ますが、バラノドンは艦載機並みのスピードと急旋回が出来ることを示しました。

次に注目すべき点は、佐渡先生が驚いたその大きさです。「ありゃあヤマトよりも大きいぞ!」と佐渡先生が叫んだ戦艦以上のサイズ。その大きさで艦載機並みかそれ以上の機動性。かなりヤバい存在であることがこの時点で分かります。

最後に注目すべき点は耐久性です。ヤマトのショックカノンを受け付けない柔軟性は、通常兵器が効かないことを意味します。ヤマトのショックカノンの直撃を受けるとバラバラに分離し、再び合体するので、大艦隊をもってしても決戦兵器が無ければ駆逐出来ないことになります。

しかし、ガス生命体同様、バラノドンの使用方法は限定的だと思えます。ガス生命体は機動力の欠点がある為、閉鎖空間でしか使用出来ませんでした。

一方、バラノドンは機動力はピカ一ですが、バラノドン特攻隊を謳うだけあって、体当たりをしないといけません。如何に硬いバラノドンでも戦艦クラスの船体を突き破るには、後方から追いかけてぶつかっても不可能であり、正面衝突することによってのみ船体を突き破ることが可能なのではないでしょうか。

正面衝突はボクシングのカウンターと同じで、威力が倍増しますが、後方からのオカマを掘る感じだと力が逃げてしまうからです。

実戦では、ヤマトのショックカノンを受け、分離した後、弧を描いてヤマトの前に出て反転し、突っ込んで来た訳ですが、速度を増す為に、かなり距離を取って反転した為、波動砲を打つ時間を与えてしまい、吹き飛ばされてしまいました。

私は、昔は何故あんな遠いところから正面から突っ込んで来たのかと不思議に思っていましたが、そうせざるを得なかったんですね。

特に技術者であるゲイルがその辺の物理の計算を誤るはずもありませんしね。

しかし、改良をすれば、十二分に活躍出来るポテンシャルはあります。あの不沈艦ヤマトを一撃で沈めることが出来るパワーなのですから、要塞攻略もこなせるはずです。寧ろ機動力のない要塞へ特攻することで真価を発揮するかも知れません。

もう一つ付け加えるならば、奇襲を受けた時の対処としてのバラノドンも有効性は高いと思われます。ガミラス残存艦隊暗黒星団帝国マゼラン方面第一艦隊の奇襲を受けた際、能力的にはガミラス残存艦隊の方が上なのにも関わらず蹂躙されてしまいましたが、機動力のあるバラノドンを解き放っていれば、十分に体制を立て直すことが出来たはずです。(よくよく考えたら、この場合はガス生命体の方が適任かも)

ヤマトの様な熟練した乗組員と決戦兵器を保有した艦船に対するには、DNA操作をして瞬発力を増すか、もっと精密な動きが出来るようにコントロールするかして、決戦兵器の照準が合わせられないようにすることが考えられますが、通常兵器でも合体が解けてバラバラになるので、そこをクリアするにはやはり艦隊の支援が必要でしょう。

何れにしても、ガミラス国内での生物兵器の評価が上がらない限り完璧な運用は難しい感じはしますが、ドメル将軍の反応を見る限り、その日が来ることはなさそうです。

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