宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ちで姿を現した暗黒星団帝国人。その正体がサイボーグであることが、ヤマトよ永遠にで明らかになるわけですが、その人員配置に凄く違和感を覚えます。
暗黒星団帝国人については暗黒星団帝国人について考えるにて詳細を述べていますが、歪なのは文明だけではなく、人員配置も極めて歪です。
暗黒星団帝国の人員配置の特徴を先に述べてしまうと、攻において人員をMaxに配置し、守において人員を割かない。という特徴が見受けられます。
マゼラン方面軍や地球侵攻軍には多大なる人員を配置してゴリゴリに押していく様は、何という国力かと当初は驚嘆しましたが、その裏側では苦しい懐事情があるように思えます。大日本帝国の様に無理して拡張政策を取っていたのではないか・・・とつい最近、察してしまいました。
無理の原因は大日本帝国同様、エネルギー問題も関係していると思われますが、では検証していきましょう。
同帝国が最初に現れたのはマゼラン方面軍という一方面軍ですが、それだけでガミラス残存艦隊(こちらも戦力を分散させている)の倍以上の戦力があり、特に艦隊旗艦であるプレアデスは戦闘空母として艦載機搭載数も多い上に、あの艦橋です。
プレアデスの艦橋は高さが恐らく300mを越えているでしょうから、超高層ビルを載せているようなもので、人員消費の権化である艦載機と相まって、プレアデスだけでも相当な搭乗員がいるはずです。科学が発達していながらオートメーション化せずに不思議な仕様となっているのは、マンパワーを疎かにした結果、肉体を失ったことの反省に基づいているからでしょうか?
地球侵攻軍も降下兵だけでもかなりの人数を割いており、プレアデス級のガリアデス等、人員のいる艦艇、兵器の目白押しでした。
それに反して、中間補給基地と母星デザリアムの閑散とした感じはどうでしょう。どちらも帝国にとって重要拠点であり、デザリアムに至っては本拠地なのですから一番人口が多くて然るべきでしょう。
私が、暗黒星団帝国は無理をして拡張政策を実行していると感じたのはこの点です。つまり攻守両面に人員を配置するだけの人員がいない・・・ということです。攻撃は最大の防御を地でいくスタイルは、実はそれしか拡張政策を実行する術がない・・・ということの裏返しなのです。
各陣営の戦力を比較する「暗黒星団帝国編1」にて、プレアデスはボラー連邦同様に正面からの力押しを念頭に設計されていると述べましたが、それを支える重要な戦術があります。
それが奇襲です。奇襲とは奇策であり、通常は寡兵であったり弱兵が用いる戦術ですが、地球より遥かに強大な暗黒星団帝国が何故故に奇襲を以て地球侵攻に臨んだのか・・・
白色彗星帝国の様に威風堂々と正面から艦隊決戦を挑む美学等は彼らには皆無でありました。やはり、肉体を失う程までに生物としては終わってしまっている同帝国人は人材確保が一番の問題なのかも知れません。
なので、人員の損耗の激しい一大決戦などは避けねば継戦能力を維持出来ない!ということなのかも知れません。それにしては浮遊要塞総司令グロータスは、味方ごとフっ飛ばしてますが(笑)
同帝国人は生殖能力が無いので、DNAを採取して人工繁殖しているのでしょうが、その掛け合わせは能力、身分によって厳しく統制されていそうです。自由恋愛よりかなり人口が抑えられそうですが、性欲という本能が無いので理論理屈だけの弊害もありそうです。
活力溢れるガトランティス人やガルマン・ガミラス人と違い、人員不足とエネルギー不足から短期決戦が基本戦術なのでしょう。また、二重銀河という天然の防壁があるが故に守りを自然に委ねることとし、攻撃に人員を割いたと考えられます。
次にエネルギー問題についてですが、地球やガミラスの波動エンジンはほぼほぼ無尽蔵ですが、そうでない暗黒星団帝国は大日本帝国同様に資源を求めて戦線拡大している節もあります。
メルダーズも星間戦争の為にガミラシウムとイスカンダリウムが必要と述べており、中間補給基地内の艦艇は燃料が空っぽなのか全く起動しない有り様でした。本拠地がほぼ無人なのだから、後方支援基地に人員も割けないのでしょうが。
暗黒星団帝国人の場合は体が機械なので、艦艇だけでなく帝国人自体も燃料補給やメンテナンスが必要なことも関係しているでしょう。生身の肉体も勿論睡眠や食事は必要ではあります。しかし、とっさの場合はそれらを中断して対応出来ますが、機械の場合はそれが出来ず、中間補給基地はあっけなく一方的にやられてしまいました。
では、一体、どうやって巨大なデザリアムを稼働させているのでしょう?
中間補給基地は対空砲火のみの反撃で大火災を起こしてようやく移動を始める有り様でしたが、デザリアムは母星なのですから幾重にも防御線を張らなければなりません。
そもそもデザリアムは新波動砲すら通用しない装甲で覆われているので、その時点で鉄壁の防御といえます。そして、無数の砲台と触手砲の集中砲火とアメーバ要塞が立ち塞がるという陣容はかなり強力であります。詳細は各陣営の戦力を比較する「暗黒星団帝国編2」を参照。
しかし、それらは地球の無人艦隊と同様に自動制御で動かされている可能性もあります。相手がヤマトということもありますが、難無くすり抜けられヤマトに内部に侵入されているのですから。
最も、中から手引きする人間がいればこそ侵入出来たことを思うと、「人員のいないデザリアムでも陥落させるコトは不可能じゃん♪フフッ♪」と暗黒星団帝国人は考えたかも知れません。
しかし、よくよく考えるとヤマトを手引きした人間は、小娘たった1人なコトを考えると、やはり人的にザルなコトが致命傷となってしまいました。
暗黒星団帝国は先制攻撃で無類の強さを発揮するものの、守りは苦手・・・その弱点を補い、帝国の繁栄を盤石なものとする必要性からも地球人類の活きの良い体を見て心をときめかせたのかも知れません。
コメント
ガミラス本星とイスカンダル星の爆発で、ガミラシウムとイスカンダリウムが確保出来なかったので、遂行中の星間戦争が不利になってしまい、相当な戦力(戦闘員)が消耗したと思われます。
だから地球侵攻軍に暗黒星団帝国の主力部隊を注ぎ込み、本星の戦力を手薄にせざるを得なかったのですかね?
>アパッチさん
コメントありがとうございます。
確かにその可能性もありますネ。
そして、何よりも肉体優先にしなければいけない程
切羽詰まっていたのかも知れません。
プレアデスやゴルバの強さ、瞬く間に地球を占領した凄まじい戦力。
反対に中間補給基地崩壊と本星が陥落する時の呆気なさ。
この対比にずっと合点がいかなかったので面白い考察でした。
この考察を踏まえて、破壊力がありそうなグロデーズ艦隊が本星防御に配置されていた理由を想像してみます。
>ピンクボーイさん
コメントありがとうございます。嬉しいです。
攻守にこれだけ差があると色々と考えさせられますよネ。
特にサーシャ1人に帝国の心臓部を喰い破られるわけですから(笑)
グロデーズについて考えるのも楽しいですネ。
形状も他の艦艇と違いますし・・・
「守りがザル」と言えばデザリアム本星では総統自ら銃片手に侵入者のサーシャを探し回るのですから「警備兵はどうした?」と上映当時から突っ込まれて当然ですな。
或いは本星には動ける人員が総統とサーダしかいなかったなんて、マジでそうだったりして。後のデザリアム人はサイボーグ体すら間に合わなくて脳だけの状態で冬眠状態だったとか?
ハクション大魔王や喪黒福三の力をもってしても警備体制のザルぶりはどうしようもなかったのでしょうか(爆笑)?
>K.Kさん
アメブロ版でも聖総統が入院患者みたいないでたちで徘徊してサーシャと銃撃戦に臨む様を酷評しましたが、本当に驚きです。
小娘1人に中枢部を喰い破られ、国家元首が重傷を負うのですから。
デザリアムの中心部の高層ビル群はガミラス本星の様にミサイルとなりますが、ビルは殻であり中から本物のミサイルが出て来る仕様にも驚きました。
恐らく・・・
昔は人が住んでいましたが、無人化になりミサイルに改造したのでしょう。てことは内部に侵入されるの前提ですネ。
兎に角デザリアムは不思議です。その辺も掘り下げて記事にしても良いかも知れません。