宇宙戦艦ヤマト2では、地球は大艦隊を保持し、星間国家に対して艦隊決戦を挑める戦力がありました。これ程の戦力は、この白色彗星帝国戦役の時のみで、この時失った大艦隊の痛手は特に人的損失が酷く、地球は二度と大艦隊を保持するに至りませんでした。
この時の地球の戦力の充実ぶりが見て取れるモノが2つあります。
1つは機動部隊の保有です。特に艦載機は数が必要な上に損耗が激しく、故にパイロットの数も多く要ります。
2つ目がヒペリオン艦隊を作ったことです。艦隊を1つに集めずに分散させるには、やはりそれなりの艦艇の数が要ります。
他の時代に見られないこの2つの強み(機動部隊とヒペリオン艦隊)の結果は、明暗がハッキリと別れました。
地球の機動部隊は、白色彗星帝国の機動部隊を壊滅させ、艦隊決戦に持ち込むことことに成功させるという殊勲を上げました。
しかし、ヒペリオン艦隊は開戦直後に成す術もなく壊滅してしまいました。
そこで、今回は、ヒペリオン艦隊についての考察です。
アメブロ版の各陣営の戦力を比較する「白色彗星帝国編1」の大戦艦の項でヒペリオン艦隊に軽く触れてますので、参照して下さい。
では、本題。
白色彗星帝国は、情報戦に重きを置いて戦略を立ててる旨は、当ブログでよく述べていますが、白色彗星帝国は地球の戦力を掴んでおり、地球がアンドロメダの力を頼みにしていることも把握してました。
一方、地球も遅ればせながら、ヤマトが交戦してくれたお陰で、砲撃戦のデータや艦載機デスバテーターのデータを得ることが出来ました。
ヤマトが11番惑星宙域で大戦艦と砲撃戦に及んだ時、ヤマトのショックカノンは大戦艦の回転砲塔の射程外から一方的に打ち込むことが出来ました。
つまり、主砲の打ち合いでは、地球に分があると土方司令が思うのは理解出来るのですが、ヒペリオン艦隊は、どちらかと言うと水雷戦隊っぽい編成です。旗艦は主力戦艦なものの他は巡洋艦、パトロール艦、駆逐艦という編成でした。
流石にこれでは、射程の利が活かせません。どういった戦術的な狙いがあったのでしょうか・・・
水雷戦隊として攪乱するなら縦列隊形で雷撃戦に持ち込むべきですが、縦列になることもなく、そもそも旗艦の主力戦艦に機動性があるようにも思えません。
土方司令は「ヒペリオン艦隊は側面から敵を攪乱せよ」と命を下しています。ヒペリオン艦隊が白色彗星帝国艦隊を攪乱する為には、射程の利を活かしつつ、戦力差も覆す戦い方をしなければなりません。
そうすると、主力戦艦、巡洋艦、パトロール艦による拡散波動砲を喰らわせる他はありません。これで確実に敵艦隊に大ダメージを与え、風穴を開け、隊列を乱すことができ、マルチ隊形(拡散波動砲発射隊形)を取った主力艦隊でとどめを刺すという流れに繋げることが出来ます。
しかし、ヒペリオン艦隊は主砲による射撃を繰り返すのみでした。そして、白色彗星帝国が秘匿していた兵器、大戦艦の衝撃砲でアッと言う間に壊滅させられてしまいました。
ヒペリオン艦隊は何の為に存在したのかいまいちピンと来ない人も多いのではないでしょうか?
恐らく、土方司令は白色彗星帝国艦隊の出方によって、ヒペリオン艦隊の対応策を何パターンか用意していたと思われます
土方司令の第一の想定は、白色彗星帝国艦隊が密集隊形のまま突っ込んで来る!としていたはずです。タイタン基地で、「戦力で上回る敵は正面から来る!」と断定していましたから。
その場合、ヒペリオン艦隊は拡散波動砲発射!これで隊列が確実に乱れ混乱するでしょうから、間髪入れずに主力艦隊の拡散波動砲一斉掃射で一網打尽。
第二の想定は、ヒペリオン艦隊に対して、白色彗星帝国が艦隊を割いて来た場合。現実にそうなりました。やはり、白色彗星帝国は戦力に勝る分、艦隊を分けて来ることは想定内でしょう。
その場合、ヒペリオン艦隊が拡散波動砲を使用してしまうと、主力艦隊の拡散波動砲一斉掃射が警戒されてしまいます。拡散波動砲は実戦では未使用なので、やはり秘匿しておく必要性があったはずです。
ヒペリオン艦隊が拡散波動砲を封じられたとなると、同艦隊では戦力不足、火力不足なのは明らかなので、作戦では、ヤマトの機動艦隊との挟撃を考えていたのではないでしょうか?間に合いませんでしたが・・・
勿論、状況から作戦通りには行かないことは分かっていたので「ヤマト開戦に間に合わねぇなぁ~(敵は艦隊分散しやがって)クソッ!」と土方司令は思ったはずです。しかし、回転砲塔相手にはある程度持ちこたえるはずだから、時間稼ぎしてる間に機動部隊の艦載機が到達するはず・・・という思惑だったに違いありません。(ホントかよ)
しかし、白色彗星帝国の情報統制により、知らなかった兵器、衝撃砲によってアッと言う間にヒペリオン艦隊は片付けられてしまいました。これは本当に誤算だったはずです。
土方司令も「機動艦隊を失ってるんだ、短期決戦を狙ってるんだろう」とヒペリオン艦隊との交戦を見て語ってます。
↑轟沈寸前に主力艦隊へ最後の交信をするヒペリオン艦隊司令
そして、戦況が不利と告げられ、ヒペリオン艦隊司令から「こちらヒペリオン艦隊旗艦!我が旗艦の・・・」との通信を最後に壊滅します。これは何を言いかけたのか?
我が旗艦(主力戦艦)の主砲(ショックカノン)よりも大戦艦の衝撃砲の方が火力が上で砲撃戦では太刀打ち出来ません、注意されたし!だったのではないでしょうか?
そんな気がします。ヒペリオン艦隊司令は有能な人材だったはずですが、残念です。この司令は氏名も分からないのですが、大人になってからやたらと気になりますね、私は・・・
コメント