ボラー連邦の最高権力者、ベムラーゼ首相について書いて欲しいとの要望があったのをお待たせし過ぎたので、今回取り上げてみます。
ベムラーゼ首相は打倒デスラー総統の急先鋒であり、それを隠してもいません。また印象的なのがヤマトを余り重要視していないどころか蚊一匹程度にしか思っていない稀有な存在でもあります。暗黒星団帝国のスカルダート聖総統とはえらい違いなのであります。
ベムラーゼ首相は意外にも最初は味方として登場しました。地球を戦禍から保護する代わりに奴隷の様な従属が待っている条件付ですが・・・日本に巣食う左翼が喜んで尻尾を振りそうな存在です(笑)
しかし、そんなベムラーゼ首相の提案は、何の外交的権限もない古代に悪態をつかれてご破算となり、一転、敵対関係になってしまいます。
しかし、ベムラーゼ首相はヤマトに全く驚異を感じることなく、銃撃戦の最中、閲兵式に出席しています。
その姿を見た佐渡先生は「大した自信じゃい、ワシ達を蚊ほどにも思うておらんようじゃ。」と述べる程でした。その後、ヤマトに追撃艦隊を簡単に血祭りにあげられた挙句、古代に「あなた方の様な残酷な民族は見たことがない!」とディスられてしまいますが、一笑に付して古代を坊や扱いにしてみせました。
この尊大な態度と揺るぎない自信。それでいてガルマン・ガミラスとの星間戦争では均衡が破られつつあるという的確な現状認識。
はっきり言ってベムラーゼ首相はスカルダート聖総統よりかなり格上な首領でしょう。
しかし、ベムラーゼ首相には不思議な点があります。
かつて銀河系を制覇したシャルバート・・・その存在は消えて尚、驚異なわけであり、ボラーのみならずガルマン・ガミラスもシャルバート星の所在地を血眼になって探しているわけです。
そのシャルバートのルダ王女を捕えたにも拘らず、シャルバート星の所在地も聞きださずに辺境の星へ送り放置し、その事をすっかり失念していたことに合点がいきません。
何故王女を手元から離してしまったのでしょう。。ベムラーゼ首相にはプライドがあり、ボラーの科学力、国力を以てすれば銀河系制覇は可能であり、シャルバートなど恐るるに足らず!と考えているならば理解出来ます。
しかし、惑星ファンタムからルダ王女がヤマトに連れ出されたと知るや「我が国の存亡に係わる一大事だ」と惜しげもなく本国の第1第2主力艦隊を即座に仕向けます。この迅速な判断が的を得ているだけに、謎は深まるばかりです。
しかし、その原因については、下記に追加記事で述べます。ボリュームがあるので(苦笑)
それにしても、ベムラーゼ首相の危機察知能力と決断力は大したものです。本国の主力艦隊を全て吐き出させるのは勇気がいりますから。ですが、結果は最悪で、ガルマン・ガミラスとの決戦前に、このボラーの主力艦隊は消失してしまいます。相手は悪魔の船ヤマトですから仕方がありません。
しかし、そこは打倒デスラー総統の急先鋒のベムラーゼ首相。この期に及んでも目標は打倒デスラー総統であり続けました。
そのヤマトを餌にデスラー総統をまんまとおびき寄せてみせる老獪さ。見た目とは裏腹にかなりの能力値の高さを見せます。
勿論、新型デスラー艦やデスラー砲艦についても調べ上げての機動要塞ゼスパーゼだったことは間違いないでしょう。
ベムラーゼ首相の唯一の誤りは、やはりヤマトの過小評価です。
主力艦隊の消失で戦略の幅が狭まり、決戦に持ち込まざるを得なくなり、更に揚羽の特攻により風穴を開けられるというイレギュラーを招いてしまったのですから。
付け加えるなら、ヤマトさえいなければ、ワープミサイルでガルマン本星を憎っくきデスラー総統ごと吹き飛ばせただろうし、決戦に臨む場合でも主力艦隊も引き連れて行けたでありましょう。
たかが戦艦1隻に怯えたスカルダート聖総統と蚊程にも思わなかったベムラーゼ首相・・・結果は一緒でしたが、そこに至る過程を見る限り、やはりベムラーゼ首相の方が見応えがありますネ。
何故なら、ベムラーゼ首相は理屈だけではなく、デスラー総統との決戦の地に自ら臨んだ他、辺境地であるバース星へも訪問しています。
バース星はボラー本国とはガルマン・ガミラス帝国によって隔てられた飛び地です。このフットワークの軽さもベムラーゼ首相の私の評価を高めている一因です。意外に現場を知ることに腐心しているのかも。思いやりはないけど(笑)
ルダ王女を流刑にした真相
迅速かつ的確な判断を下せるベムラーゼ首相。そのベムラーゼ首相が銀河系制覇をするに当たって、シャルバート星の所在地とその科学力を把握することは、最重要事項であることは認識していたはずです。
そして、どういう経緯かは不明ですが、ベムラーゼ首相は、その存在すら謎であるシャルバートのルダ王女を捕獲することに成功します。これは千載一遇のチャンスだったはずです。
何せ、シャルバート星は軍備を解除し、止めなされ!オジサンが仕切っている程度の有り様なのですから。止めなされ!オジサンについては各陣営の戦力を比較する「ガルマンガミラス帝国編3」の番外編【史上最強国家シャルバート】を参照。
この軟弱なシャルバート星を占拠し、最先端兵器を押収すれば、容易く銀河系制覇は達成出来たことでしょう。
しかし、ルダ王女は流刑となり、導かれるように快適なコスモ生命体ファントムへと誘われるのです。結果的にボラーから逃れたことになります。
流刑となる前、間違いなく、ルダ王女はベムラーゼ首相の御前に引き立てられたはずです。その場で、ルダ王女はシャルバート王女としての力を使い、ベムラーゼ首相に催眠による洗脳を仕掛けたのです。
銀河に幾世紀も信仰の対象であり続けたその実力、魔力の前では、流石のベムラーゼ首相も謀られるのも致し方ナシというものです。当然囚人運搬船の艦長や航海班長も洗脳したコトは言うに及びません。
そして、ご丁寧に流刑にした記憶もベムラーゼ首相から消しておいたのです。流石に次元の彼方に隠遁しているシャルバート星へ送らせるのは危険なので、銀河に張り巡らされたネットワークから、コスモ生命体を割り出し、そのコスモ生命体にも力を行使して、保護させた・・・というのが真相だと思われます。
コメント
テレサのようなトンでも超能力があるので、そのくらいの魔力があっても全く不思議ではありませんよね(^o^)
テレサは島さんががっちりキープして乗組員にすれば、大抵の事は片が付いたのにって良く思いました(笑)
テレサの必殺技は1回こっきりなのが悔やまれます。祈りだと制限ナシですが、味方まで巻き添えですからネ。テレサは諸刃の剣です(苦笑)
ルダ王女をヤマトから捕獲するのに相当大規模な第八打撃艦隊だけではなく、更にその5倍の戦力の本国第一第二主力艦隊までも差し向けるベムラーゼ首相の決断力は大したものですね。
主力艦隊が居ない間にガルマンガミラス艦隊がボラー本星に攻め込む可能性もありましたからね。現にボラー主力艦隊が出撃している事は察知されていましたから。
それだけルダ王女の捕獲がボラー連邦の命運に関わる事だったのですね。
この決断力はデスラー総統以上と思います。
ベムラーゼ首相は冷酷非情な暴君の面だけを取り上げられているので、ベムラーゼ首相の卓越した危機察知能力や決断力を検証したbatuさんは流石です。
>アパッチさん
ベムラーゼ首相は見てくれが悪いから
どうしても評価が下がってしまうのでしょうネ。
積極果敢で行動力もあり、判断も早いので
能力値は高いと思います。
デスラー総統と違って、丸腰のシャルバート人にも
襲い掛かるので、ヒールにはなってしまいますが
より現実主義者といえます。
このたびは私が兼ねてから希望していたベムラーゼ首相を取り上げていただき、有難うございました。
劇中ではボラー連邦のモデルがモデルだけに、ついつい「ベムラーゼ書記長(苦笑)」と呼んでしまいますが、政治体制はモデルとなった「彼の国」とはかなり違うみたいです。彼がどうやってボラー連邦の首相に選ばれたか、まずそこに興味がありますが、当然民主的な選挙ではないでしょうね。まあ異星人に「民主主義」の概念があるかは不明ですが。恐らくは連邦内の有力な軍人、政治家で構成される評議会から選出されたのでしょうけど、彼も有力な家系の出自だったのかも。
30分前にはタイムパトロール隊の長官も兼任してたから、その苦労は並大抵ではなかったでしょうね(爆笑)。
>KKさん
ベムラーゼが首相の就任した経緯を考察するのも楽しそうですネ。
建国当時と現在とで体制に変更があったのかどうかも分からない分、
妄想は膨らみます。
昔の声優は個性があって、作品を盛り上げてくれました。
今は、誰がやっても一緒感がハンパないです(苦笑)
ご無沙汰しています(^^)
やはり面白い。
またちょいちょいお邪魔して拝読させて頂きます。
記事ごとのコメントの残し方が難しいですね(^^;;
ではまた、宜しくお願いします!
>みかんさん
コメントありがとうございます♪
感謝の極みです。
こちらのサイトも長らく塩漬けにしてしまっているので
反省してます。