ガルマンガミラス帝国には名将が何人か登場してきますが、その代表的な人物としてガルマンウルフの異名を取るフラーケン大佐が先ず頭に浮かぶでしょう。本名より異名の方が有名なのでここではガルマンウルフで統一します。
ガルマンウルフは歴戦の勇将であるので、ガミラス人かと思い勝ちですが、恐らくガルマン人ではないかと思われます。
というのも東部方面軍のトップ、ガイデル提督との会話で両者とも地球も宇宙戦艦ヤマトも知らなかったことが判るからです。
ガミラス人の星間国家、大ガミラス帝国は各地に戦線を構え、デスラー総統と行動を共にしていない艦隊も多数ありました。ガミラス本星でのヤマトとの死闘では艦船の1隻もなく、白色彗星帝国に身を寄せていた時は全残存艦隊が集結していたかどうかは分かりませんが、暗黒星団帝国との戦いではデスラー直属艦隊は壊滅しました。そこから時を置かずに銀河系核恒星系に向かった時には艦隊を率いていました。
と、このことからデスラー総統と別行動を取っていた艦隊が多数あることが判ります。ですが、ガミラス本星が堕ちたり、デスラー総統が白色彗星帝国に臣下の礼を取って身を寄せたり、イスカンダル星とガミラス本星が消失したりという一大事を「別行動を取ってたからぁ~♪ぜ~んぶ、し・ら・な・い・♡」なんてことはどう考えてもあり得ないと思うからです、ハイ。
と、あれこれ考えてましたが、そんな考察しなくとも答え出てんじゃん!という驚愕の事実に気が付いてしまいました。ガルマンウルフは間違いなくガルマン人です。ガミラス人ならガミラスウルフと呼称されるからです。そう、ガルマンウルフという異名こそがガルマン人であることの証明でした(笑)
東部方面軍の主だった面々(ガイデル提督、ダゴン将軍、ガルマンウルフ大佐)は皆、地球もヤマトも知らなかったので、ガルマン人で間違いでしょう。
先ず、特性としてガミラス人とガルマン人には大きな差異が見られます。
ガミラス人は、ガルマン人にはない誇りからくる美学があります。ドメル将軍は、ヤマトに敗れた際、自爆装置を用意しました。仲の悪いだらしのない副官ゲイルですら、ドメルの自爆を受け入れました。デスラー総統はスターシアを守る為にゴルバに特攻をし、グスタフ将軍もヤマトの盾としてボラー艦隊に特攻をしました。また、グスタフ将軍はヤマトの事を相当意識していて、戦いを挑みたがっていましたが、これがガミラス人の認識でしょう。
それに対して、ガルマン人は泥臭く恥も外聞もなく生き残るしぶとさがあります。ダゴン将軍は艦隊を盾にして自分だけ逃げました(部下を盾に自ら逃亡)。ガルマンウルフはヤマトに勝つ為に味方を動かして囮として犠牲にしました(部下を盾に敵を攻撃)。さらば宇宙戦艦ヤマトでデスラー総統が駆逐艦を犠牲にしましたが、駆逐艦は彗星帝国人が乗艦していたので、同胞ではありません。
このガミラス人とガルマン人の違いの根源は後で述べますが、ガルマン人に対してある疑問が湧いてしまいます。
というのも、デスラー総統がガミラス艦隊を率いて銀河系核恒星系に入った時、ガルマン星はボラー連邦の支配下に置かれており、ガルマン人は奴隷の如く強制労働させられ、虫けらの様に銃殺されていました。
↓支配下に置かれたガルマン本星のガルマン人の有様
ガミラス人と違い、落ちぶれ果てたガルマン人のその姿・・・それを解放したからデスラー総統がその戦果でカリスマ上げ上げとなり選挙でガルマンガミラス帝国の総統となったわけです。
そんな奴隷ガルマン人の分際で何故、こんな戦績豊富な将軍や士官が生まれるのか?しかもたったの1年という短期間で・・・軍人というのは最も経験が必要な職種です。
恐らく、ガルマン本星は陥落したものの、星間国家であったであろうガルマン(帝国?)には、パルチザンというか落ち延びた抵抗勢力がゲリラ戦(ポンコツ艦艇で)を展開していたのではないでしょうか・・・
デスラー総統率いるガミラス艦隊が核恒星系を解放した際に、そういった面々が登用されたのでしょう。それがガイデル、ダゴン、ガルマンウルフだったのではないでしょうか?
そうすると、先に述べたガミラス人とガルマン人の差異にも納得がいきます。そう、戦争で敗北を喫し、民族の生き残りを掛けてゲリラ戦を展開するという経験で培われた泥臭く生き抜く術。それが部下を盾にすることに何ら躊躇がないという行動の源泉なのでしょう。
抵抗勢力を束ねるボスがガイデル提督であり、イケイケのダゴンと特殊工作、通商破壊のガルマンウルフという組織だったのかも知れないですね。
このガルマン人抵抗勢力を東部方面軍に固めたのは、オリオン腕方面には地球があり、そこにガミラス人を配置するとグスタフ将軍の様にガミラス本星の仇である地球やヤマトに対して攻撃を仕掛ける可能性があります。また、オリオン腕方面は文明が高くないので、ガルマン人如きでもイケるっしょ・・・という思惑もあったことでしょう。
なので、ガミラスの負の歴史(ヤマトに敗北)はガルマン人には伏せたまま、ガイデルに「オリオン腕方面には手を出すなよ♡」とだけ伝えて後はお任せだったのでしょう。しかし、手出し無用の理由を言えない分、細かく指示を伝えられなかったがために、イケイケのダゴンがやらかしてしまうのでした。
また、ガイデルとガルマンウルフの連携で、ヤマトにアッサリ勝っちゃったのもデスラー総統としては複雑な気分だったのかも知れません。
—追記—
ガミラス人の特性として、潔く自爆したり、何かを守る為に特攻したりすると述べましたが、彗星帝国戦役で、宇宙戦艦ヤマトが新デスラー艦に体当たりをカマしました。デスラー総統が古代と雪がイチャつくとこ見て、彗星帝国人より我々は地球人に近いから友になった・・・は何か腑に落ちなかったのですが、このヤマトの特攻精神が、オッ!お前らも俺たちと一緒じゃん♡と感じ入り、友情が芽生えた。特に古代に対して。こう考えれば凄く納得してしまいます。とはいえ、森雪がスターシアに似てることも影響してる気はします・・・
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